家の質 家の質

vol.7 耐震性数百年に一度の揺れにも耐え抜き、
毎日リラックスできる家をつくる。

「揺れていても、大丈夫だなという安心感がありました」。一条工務店のお客様が、こんな言葉をふと口にされました。同じ地域で同じ震度の地震が起きても、身を置く建物によって感じる揺れは異なるといいます。ある人には家がグラグラと揺れてヒヤッと感じたとしても、別の家にいた人は少し揺れを感じられたくらい、ということもあるのです。先のお客様の感想は、まさにそんな例でしょう。

地震大国といわれる日本で暮らす私たちは、少々の地震があっても驚くことはありません。でも、「大きな地震が来たら、この家を捨てて外に出なければ」という不安を常に感じているのか、「大きな地震があってもこの家の中にいれば大丈夫だろう」と安心感を抱いているのか。両者の間には、無意識のうちに感じるストレスの度合いに差があるに違いありません。

そして、いつ・どこで・どのような性質の地震が起こるかは分からないもの。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などが起こったとき、地震動の特性、地盤や地形の状況といった地理的特性によって被害状況は異なりました。さらに、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震は、いつ起きてもおかしくないと予想されています。そのような地震に対して家族の命と暮らしを守るために、家はどのようにつくればよいのでしょうか。

大地震が来ても、家が倒壊しないこと。その後も日常生活を送ることができること。 大地震が来ても、家が倒壊しないこと。その後も日常生活を送ることができること。

「備えあれば憂いなし」とはよくいいますが、最も効果的な備えは、強い家をつくること。一条工務店の開発者は「いかなる状況においても、家を安全と安心を得られる場所にしたい」と力強く言います。

2×6工法で頑丈な箱状につくる一条工務店の家「i-smart」に採用されている「ツインモノコック構造」は、極めて合理的な判断から導かれています。「木材は持続可能な建築材料で、軽くて強い特徴があります。また、ほかの材料に比べて高い断熱性能を持ち、高気密・高断熱住宅を実現するために理想的な建築材料です。加えて、十分な断熱層を確保すること、建物を包んで耐震性を高める外壁の耐力を十分に受け止める部材強度という要求性能を同時に満たすつくり方を考えたとき、2×6工法が最適という結論に至りました。そして、壁だけでなく床面も含めて6面体で家を固めることで、地震に対して建物全体で抵抗します」と、開発者は語ります。こうして建物の耐震性能を高めると同時に、基礎も強度を高めることでしっかりと建物を支えるという考えを忠実に適用しています。

現在の建築基準法で定められている耐震基準は、「大きな地震があっても建物が倒壊・崩壊せず人命が守られる」という最低限の基準であることは、広く知られるようになってきました。かろうじて家が倒れず助かったとしても、大掛かりな補修か建て直しが必要であれば、生活の再建への道のりは遠くなってしまいます。開発者は「大地震後すぐに続く生活にこそ目を向けなくてはいけません。速やかに日常生活を再開するため、内装が傷まない工法、建物側の要因で電気・ガス・水道のライフラインを損なわない工法という課題に向き合っています」といいます。

さまざまなパターンの実物大の家で、よりリアルな条件のもとで実験する。 さまざまなパターンの実物大の家で、よりリアルな条件のもとで実験する。

一条工務店が大きな安心を得られる家を実現するため、並々ならぬこだわりを持っているのは「実大実験」です。開発者は「これまでの基準の有効性は、過去の地震被害や、数多くの実大実験によって裏付けられてきたもの。実際の建物の安全性は、実験をして初めて確実なものとなります」と強調します。設計でいくら強くしたといっても、机上の空論のままにして、大地震が来るにまかせるようなことはありません。実際に提供できるスペックで主力商品を実験し、真の実力を検証しているのです。また、一条工務店では「倒壊・崩壊しない」先を見据えています。「実験を通して家がどう動き、損傷がどのように、どの部位に生じるのかを検証することは欠かせません」と開発者は語ります。

現実の建物とともに、地震のリアルさも追求。「日本全国で観測された、多様な地震波を用いて揺らします。また地震が繰り返し発生することも想定し、これまでの経験上のレベルをはるかに超えた、震度7の地震波による繰り返しの加振も行っています」と開発者はいいます。実験は世界最大の実大三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」にて実施。開発者は「震動台の重量が試験体となる家の重量に比べて圧倒的に大きいため、再現性の高い地震波で実験ができます。また、震動台のサイズが大きく、実大建物を2棟並べて同時加振できるため、同じ間取りによる構造の違いを比較できます。そして、超大型の油圧式アクチュエータ(駆動装置)が多数配備されています。振動速度が非常に速く、震動台の揺れ幅が大きいので、M7クラスの内陸型直下地震の大きなパルス地震波や、M9クラスの海溝型地震による長周期・長時間地震波も再現することができます。実大実験にこだわる一条にはまさにうってつけです」と、実験施設の特性と一条工務店の家づくりの方向性が合致していることを強調します。

地震への備えに、万全ということはないでしょう。しかし一条工務店の家は、これまでの経験を超えた地震を想定しながら、現実的な家で実験を繰り返すことにより、実際の地震時にも有効に機能する高い耐震性を達成してきました。重ねてきた実験の結果が、万が一の地震時に耐えられる家をつくり、日常の安心感をもたらす。それが、お客様の「揺れていても、大丈夫だなという安心感がありました」という言葉に表れているのだと思います。

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